ゴルフクラブとの出会い
ゴルフクラブを初めて手にしたのは小学校低学年の頃だった。夏休みに目の前に住んでた年下の友達と、何が置いてあるか分からない倉庫に入って遊んでいた時に、古びた中古ゴルフクラブを見つけた。
当時夜のアニメで『プロゴルファー猿』をやっていたので見よう見真似でゴルフクラブを構えて、田んぼや学校の校庭で石ころなんかを打って遊んでいた。
小学校4年になった時に友達の親父が新しく中古ゴルフクラブを買ったのでいた、親父がそれまで使っていたゴルフクラブをくれたと言い二人で遊んだ。
ゴルフと言うには程遠い遊びで、始めの頃には曲がったりしていなく、そこそこ綺麗なゴルフクラブだったのだが、打ってたものが石ころだったりしたので、半年もしないうちに僕らのゴルフクラブは中古も中古のひどい中古ゴルフクラブとなっていた。
中古ゴルフクラブから大事件
いつものように、本当にいつものようにゴルフクラブを振り回す。ゴルフのルールも知らない、クラブの握り方も知らない。
夕暮れの校庭でゴルフボールならぬ石ころをショット。ナイススイングと思った瞬間、鈍い音が聞こえた。振り返った先には、僕のゴルフクラブ(アイアン)の先に友達の顔。瞬間に頬から血が流れ出す…。
何が起きたのかさっぱり分からなくなるくらい真っ白になった僕は無我夢中で傷を洗えと叫びながら、校庭の水道場に走った。 偶然にも保健の先生がいて、友達はすぐに病院に行った。 先生に『何でこんな事になったの!?』と聞かれ、泣きながら僕は『ゴルフクラブで…』と答えた。
友達は入院をし数日後、お見舞いに行った。ゴルフクラブが頬を貫通したので、頬の表と裏と両方縫い付けたらしい。 怪我をさせたゴルフクラブは、中古屋で手入れされて売られているゴルフクラブではなく、草であろうと石であろうと、構わず振り回していたのでバイ菌も沢山あったと聞かされた。
ゴルフ用品店がトラウマ
それ以来僕はゴルフクラブを触っていない。働き始めてからゴルフに誘われても、あの日の事が脳裏をよぎってしまう。
街で見掛けるゴルフ用品店や中古ゴルフクラブ屋の前を通り過ぎる時も同じだ。
きっとずっとこんな気持ちなんだろう…。幸いゴルフを楽しめる程、優雅な生活を送れてないし、そんな付き合いもないのが救いだ。